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2025.05.30東京U

南葛戦に向けて 〜すべてのアマチュアフットボーラーたちへ〜

プロサッカー選手になれるのは一握り。
それは監督も同じことで、プロのサッカー監督になれるのも一握り。
多くの人がアマチュアとして(他に職業持ちながら)監督業をやっていますが、僕もその一人です。
選手たちと同じく日中はビジネスマンとして仕事する傍ら、仕事前の朝6時半から、あるいは、仕事終了後にトレーニングを重ねます。
帰宅後は、深夜まで対戦相手のビデオを観て、週末に備えます。
言うなれば「仕事してサッカーして、またサッカーして仕事する」という日々です。
プロとしてサッカーの現場に関われることは羨ましいけれど、同じピッチに立ったとき、プロもアマも全く関係ありません。
アマチュアが、プロに負けることを許される理由はありません。
サッカーに割ける時間が少ないからこそ、その時間をつくること、そのつくった時間にすべてを注ぐことに集中してきました。
サッカーに対する熱量は、決してプロの方々に劣っているとは思っていません。

一方で、サッカーを離れる時間は、私にとっては充電の時間であり、気づきの時間でもあるのです。
サッカーと全く関係ないという日常に、普遍の定理が転がっていたり、紡ぐべき言葉が転がっていたり。
一人一人に与えられる才能は決して平等ではないけれど(諸説ありますが、僕はサッカーの才能に恵まれたと思ったことはない)、
一人一人に与えられた時間は等しく一日あたり24時間。
ピッチに向かうまでの準備の時間は皆同じ。
その日々の24時間に、どれだけ魂を燃やし続けることができるのか。
その結果を、ピッチ上の90分でケリつけようという、サッカーは極めてフェアな世界。
社会で生きる人ならだれでも感じている世の不条理は、ピッチ上にもたくさんあるけれど、
一つ言えることは、偶然の勝利は多々あっても、理由なき敗戦はない。
振り返った時に、「今」という時間が後悔する過去とならぬよう、「今」この瞬間も魂を燃やし続けるのです。

風間さんは素晴らしい指導者だと思います。個人的にはあこがれの存在です。
日本で「攻撃のかたち」を落とし込める数少ない指導者だと思っています。
あの今野選手が今でも成長を実感できる、そんな指導者に僕もなってみたい。
だけど、チームとして相まみえたときに、どういう結果になるのかはわかりません。
監督の力量差を補って余りあるくらいのうちの選手たちの愚直なハードワークを見て欲しい。
そして同時に、世の中のアマチュアフットボーラーたちに、アマチュア監督たちに、
自身の総力を結集することで強者に一泡吹かせるワクワクを捨てないで欲しい。
僕は、ただただ勝負が好きで、仲間が好きで、サッカーが好きで、夢中の日々を送っています。
日本サッカー界から見たら、取るに足らぬ舞台かも知れないけれど、50歳を迎えた今もなお没頭する日々を送れることに感謝しています。

ボコボコにされたらどうしよう、、、そんな恐怖におびえる日々も決して悪くない。
サッカーに割けない時間にこそ、ピッチ上における勝利のヒントは転がっている。
接客の技術も、ポンコツ上司の世話も、はたまた、膨大な書類の整理も、全てを己の糧として、自身をつくり上げるしかないのです。
そう信じて、やってやりましょう。
答えは、6月1日の西が丘におけるピッチ上の90分で出ます。

今から秘策を練らねば。

東京ユナイテッドFC監督
福田雅