この度、栗島健太選手が東京ユナイテッドFC(KSL)から品川CC(神奈川県1部)へ移籍することが決まりましたのでお知らせいたします
■栗島 健太(クリシマ ケンタ)
【ポジション】MF
【生年月日】1997年4月19日
【身長/体重】175cm/74kg
【経歴】柏イーグルス - 流通経済大学付属柏高校 - 早稲田大学 - アルビレックス新潟シンガポール - いわてグルージャ盛岡 - 東京武蔵野ユナイテッドFC - 東京ユナイテッドFC
【選手コメント】
まず始めに、この場を借りて謝罪をさせてください。
昨シーズンの全社本戦、キャプテンマークを巻いていながら、チームをまとめることができず、結果自分のせいでユナイテッドの昇格を潰してしまいました。申し訳ありませんでした。
福田さんとは3年間共に戦ってきました。
誰よりもサッカーへの情熱が強く、選手ともすごく近い関係で、とても刺激的で楽しい3年間を過ごすことができました。
朝4:30に起きて小石川運動場へ向かい、終わって仕事に行って、、、そんな日々が当たり前になっていたので、寂しさもあります。
僕自身プレイヤーとしてのここ2年は、膝を壊してしまい、計1シーズン分は離脱していました。
プレーが出来なくても、チームのためにできることをしてきたつもりです。
ただやはり、プレイヤーである以上、プレーできないのは悔しいですし、このチームにはもう自分はいらないなと思うこともありました。
それでも残って欲しいと言ってくれる仲間に出会えたこと、本当はとても嬉しかったです。
ありがとうございました。
「サッカーで最後に何か結果を残してみないか」
福田さんと出会った時に言われた言葉です。
僕はこの人の元で、自分の力で結果を出して引退しようと思っていました。だから3年目、昨シーズン始まる前に福田さんに今シーズンで引退しますと伝えてました。
福田さんに比べれば弱かったかもしれませんが、僕自身も強い覚悟で臨んでました。だから本当に悔しい。
ユナイテッドがJFLに上がることを心から願っています。
最後に、ユナイテッドに関わる皆様、本当にお世話になりました。結果で恩返しとはなりませんでしたが、僕はユナイテッドに入ることができて幸せでした。この経験は一生物です。
今後について、引退しようと思っていましたが、縁あって、品川ccでプレーを続ける決断をしました。社会人とサッカー選手の両立を体現していきます。皆様の耳にも入ってくるくらい活躍してきます。
いざ、別れを告げると寂しさがありますが、頑張ってきます。
本当にありがとうございました。
【福田代表コメント】
3年間にわたり共闘してくれた栗島は、本来はもっと上のカテゴリーで闘うべき選手でした。
選手にとって、一つでも上のカテゴリーでプレーすることは、誇りであり誉です。
一方で、成し遂げたいことがあるからこそ、選手としての誉を捨てて、カテゴリーにこだわらず自身の戦場を選択する者もいます。栗島はそういう男でした。
そんな男の惜別のメッセージの場で、謝罪を強いるに至ってしまったことに、忸怩たる思いでいっぱいです。
それくらい彼は背負い込んでチームのためにプレーしてくれていました。
決して口数が多いわけではありません。
いわゆる強いリーダーシップを発揮するタイプでもありませんが、そのコミットの強さを背中で示すことで、不思議と影響力を持つ男でした。
そんな男だからこそ、最後の最後は彼に託しました。
怪我明けでコンディションが万全でない中、退場者が出て10人の戦いを強いられても、監督として、彼を交代さんせる選択肢はありませんでした。
そんな疲労困憊の場面で、PKのキッカーに指名したのも監督である私です。
以前に申し上げた通り、監督が信頼できる者をPKキッカーに指名するという行為は、
単に負けたときの監督の納得感の問題であって、仮に、指名された選手が外せば、彼にとってはトラウマにしかなりません。
大事な試合であればあるほど、その傷は深く心に刻み込まれるものです。
昨シーズンの昇格を懸けた大会の、負けられない試合のPKキッカーに栗島を指名し、栗島が失敗してシーズンが終了という残酷な結末でした。
栗島は、苦しんだと思います。今でも苦しんでいるのかも知れません。
彼のコメントにもある通り、シーズンインに際して、「今シーズンをもって引退する」と彼は私に宣言しました。
それほどの覚悟を持って臨んだシーズンは、思い描いたものとはならず、むしろ、真逆の結末だったかもしれません。
このままで終われないから来季もリベンジするのか、自身の雪辱のためだけにチームに残るという選択はどうなのか、シーズンイン当初の覚悟は口だけだったと思われないのか。
色々な考えが頭を巡ったのだろうと想像します。
「サッカーの借りはサッカーでしか返せない」
「敗戦はその瞬間においては何ら意味を持たず、明日の勝利があってこそ、過去の敗戦は意義づけられる」
常日ごろから私が選手たちに投げかける言葉ですが、葛藤の末に、彼が出した結論はチームを去るというものでした。
彼なりの「けじめ」なのだと思います。
その決断の深さと重さを慮れば慮るほど、私自身の心もえぐられますが、私としては、そっと受け止め、送り出してやりたいと思います。
しかしながら、彼が今後も品川CCさんでサッカーを続けてくれることは、私にとって救いでもあります。
誰よりもサッカー小僧の栗島からサッカーを奪いたくなかったので。
改めて、心から栗島に感謝と敬意を。
またいつか共に闘える日が来ることを願いつつ。