いつも温かい応援、ありがとうございます。
さて、ご存知の通り、明日より関東リーグ昇格をかけた戦いが市原の地で開催されます。
申し上げるまでもなく、ここからが本番です。
半年に渡る東京都リーグ14戦を経て、やっと手に入れた関東リーグへの挑戦権。昇格には最低3回勝ち抜くことが必要です。思い起こせば2年前、勝てば昇格 というところでジョイフルホンダつくばFCに敗れ、惜しくも昇格を逃しました。力がなかったと言えばそれまで。しかし、そこにたどり着くまでに投資した時 間と情熱は半端ではなく、ゆえに、敗れたときの喪失感たるや、とても言葉には表せません。悔し涙は高校生以来の経験でした。
その舞台に2年ぶりに帰って来たのです。
「あとひとつ」を越えるために何が足りないのか、何をすればいいのか、その答えを求めつつ、今まで以上に時間と情熱を徹底的に投資してまいりました。これ までの皆様からのご支援、また、ここまでの選手達の努力は、「昇格」以外で報われることはなく、「頑張ったからいいじゃない。」という綺麗事で片付けられ るレベルではありません。
この2年間で多くの者がチームを離れました。
単に実力的に限界を悟った者、転勤で泣く泣くスパイクを脱いだ者、活躍の舞台を求め違う色のユニフォームを選んだ者、去り方は様々ですが、一つ言えることは、明日からの舞台に臨める我々は幸せだということです。
慶應義塾体育会ソッカー部OBで現横浜F・マリノスの中町は言いました。
「サッカーの借りは、サッカーでしか返せない。」
今一度借りを返す機会に恵まれた我々は幸せ者です。
ご存知の通り、今いる選手達の学生時代の実績はなかなかのものです。
高校サッカー選手権全国制覇経験者もいれば、元U-17日本代表もいるし、元Jリーガーだっています。彼らが経験してきたサッカー人生に比べれば、今の舞 台なんて取るに足らないものかも知れません。しかし、私自身もこのアマチュア社会人サッカーの世界に身を投じて初めてわかったことがあります。
「俺はこんなにサッカーが好きだったのか。」と。
ガキの頃から当たり前のようにやれていたサッカーが、社会人になると当たり前にはできません。もちろん、遊びのフットサルなんていくらでもできますが、真 剣にサッカーをやる環境なんてそう無いんです。学生時代に当たり前のように週5〜6回も練習できていたのに、今は週に3回やるのも必死。
週4回も5回もやろうものなら、それはもはや変人の域です。(会社ではおそらく冷ややかな目で見られているでしょう。)ましてや、そんな変人が集う集団なんてそうそう世の中に存在しません。学生時代にあんなにかったるかった練習が、今では楽しみでならない。
明日の試合にワクワクしながら眠りにつく。サッカーを始めた頃のようなそんな感情が湧き上がる今日この頃。
選手達は今ほど感謝してサッカーしたことなんて無いと思います。
サッカーに育てられ、サッカーの真剣勝負の中でしか自分という存在を見出せてこなかった我々のアイデンティティは「真剣にサッカーする俺」なんです。
そんなサッカー小僧どもが、全く価値観の違う人達が集まる社会に放り込まれ、一度は自身のアイデンティティを見失い、もがき苦しむのが社会人1年生から3 年生。人によっては5年生や6年生になっても自分探しの旅の途上。そんなサッカー小僧の、サッカーという舞台におけるおそらく最後の輝きを、是非見守って やってください。
引き続き温かいご支援賜われますと幸甚です。
LB-BRB TOKYO
監督 福田雅