第60回 全国社会人サッカー選手権を終えて、東京ユナイテッドFC福田雅監督から皆様へのメッセージを掲載いたします。
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東京ユナイテッドFCに関わる皆さま
敗退が決まってから二日目の朝を迎え、大袈裟かも知れませんが、
ようやく息ができるようになった気分です。
本日から様々な日常業務も再開いたします。
お聞き及びの通り、昇格をかけた全国社会人サッカー選手権にて2回戦で敗退いたしました。
前半終了間際に退場者を出し、その直後に同点に追いつかれましたが、
それでも選手たちは心折れることなく後半40分間を10人で闘い抜きました。
PK戦で力尽きましたが、その戦いぶりは監督としても誇れる勇敢な戦いぶりであったと思っています。
PKのキッカーは私が全員指名いたしましたが、選手にもPKの得手不得手があり、
得意とする者でも、本番では外すことはあります。
サッカー経験をお持ちの方なら、一度はPKを蹴られたこともあろうかと思いますが、
ペナルティスポットに一人で向かう時の心境は言葉では言い表せません。
どんなに図太いメンタルの持ち主でも、
ワクワクしながらキックの瞬間を迎えることはないと思います。
そして、外せばずっと心に残るもので、大きな大会であればあるほど、その心の傷は深く、もはや十字架を背負うかのごとく、心に刻み込まれます。
そんな一生十字架を背負いかねない大役を、私は毎回指名しますが、監督としては「この選手が外して負けても悔いはなし」という想いで託すものの、これも監督の単なるエゴなんだと思っています。
一方的に背負わせて、結果的に失敗して、「気にするな」と言われても、そんなわけにはいかないことくらいわかっているのですが、
監督として何がベストなのか、答えは見つかっていません。
今は、最後まで闘い続けてくれた選手たち、PKを蹴る大役を引き受けてくれた選手たちに、感謝と敬意を表したいと思います。
戦いにおける敗因は、その瞬間にあるのではなく、そこに至るまでの過程にあるもので、だからこそ「今」を怠るなと選手には常々言って来ましたが、
突きつけられた結果を見るに、まだまだ何かが足りなかったのだと思います。
すべては、その過程を司る監督の責任、力不足ということに他なりません。
敗戦はその瞬間には何も意味を持たず、明日の勝利があってこそ、過去の敗戦に意味を持たせることができます。
しかしながら、情けないことに、まだ明日に向けた力が湧いてきません。
来季に向けた闘いは、今この瞬間からすでに始まっているというのに、またあの擦り減る生活、あのストレスにまみれた生活を送るのかとと思うと、気持ちを前に向かせることができません。
それでも前に進まねばならないことはわかっているのですが、その勇気が湧き起こるまで、今しばらくお時間を頂戴できますと幸甚です。
改めまして、今シーズンも温かく見守ってくださり、誠にありがとうございました。
皆さまのご支援が、どれほど心の支えになったことか、感謝を言葉では言い尽くせませんが、これ以外に言葉も見当たらず、どうかご容赦ください。
東京ユナイテッドFC
監督 福田雅