東京ユナイテッドFCを応援してくださっている皆様、
本年も温かいご支援・ご声援を賜り誠にありがとうございました。
残念ながら、今年も皆様のご期待に応えることができずに1年を終えようとしております。
世界がコロナ禍に見舞われて早一年になりますが、依然として収束の兆しを見せず、
世界中のいたるところでかつて当たり前とされていた様々な活動が脅威に晒されています。
今シーズンは本当にこのまま一年が終わるのではないか、それどころか、サッカーなんて二度と出来ないのではないかという恐怖にも襲われました。
そんな中、後期9試合のみという変則ルールではありますが、リーグ戦の実施にまで漕ぎ着けられたのも、連盟、協会、様々な方々のご尽力があってこそと思っております。
この場を借りて、リーグ実施にご尽力された皆様に感謝申し上げます。
そして何より、こういう苦しい状況においても変わらぬご支援をくださったスポンサー企業の皆様に心より御礼申し上げます。
皆様の温かさに本当に救われた一年でした。このご恩は一生忘れません。
これだけ多くの方々の支えがあって、我々はサッカーに没頭できております。
社会から見たら「所詮サッカー」かも知れませんが、我々にとってはかけがえのないものです。
サッカーがなければ、今の自分も、横にいる仲間も、そして、このクラブも存在しませんでした。
我々にとっては人生そのものと言っても過言ではありません。
一方、今シーズンを終えたところで、今年も何人かの仲間がクラブを去ります。
引退する者、移籍する者、理由は様々ですが、選手達にも目の前の一年一年が勝負だと言い続けています。
「プロでもないのにこのままサッカーばかりやってていいのか?」
「もっとやるべきことがあるのではないか?」選手達は心に不安を抱え、日々葛藤しながらサッカーと向き合ってきたはずです。
そこに客観的な解答はなく、「これが最後の一年」そんな思いで過ごしていたことは間違いありません。
彼らの決断を尊重したいと思いますし、改めて、このクラブに集ってくれたことに感謝の意を表したいと思います。
サッカー選手のゴールは必ずしもJリーガーではないし、
クラブのゴールも必ずしもJリーグではありません。
現に、私自身がJリーガーを経験したことはないし、
もっと言えば、アマチュアとしても鳴かず飛ばずの選手人生でした。
それでも今こうしてサッカーに魅せられて夢中になれる毎日を過ごしていることの根源的な理由が何か、
それを言語化して、見える化して、クラブの価値を、サッカーの価値を、スポーツの普遍的な価値を訴えることはできないのか。
人生をかけた挑戦です。
選手一人一人が人生を前に進むように、クラブも前に進まねばなりません。
来季の戦いはすでに始まっていて、僕に英気を養う時間なんてないのです。
すでに来季に向けて、いや、未来に向けて大きな一手は打ったつもりです。
皆様におかれては、引き続きこのクラブが前に進む様を見守って頂きたく存じます。
2021年が皆様にとっても意義深い時間となることを祈念しつつ、今年最も心打たれた言葉を引用しながら締めくくらせて頂きます。
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やし 歯を喰いしばって前に進む。
それが僕の責務であり、僕は僕の責務を全うします。
東京ユナイテッドFC
共同代表 福田雅
総監督として指揮を執る
コロナ禍での無観客開催