いよいよ本日、JFL昇格を懸けた戦いの火蓋が切って落とされます。
JFL昇格という壁の高さを突きつけられた昨年9月から今日まで6ヶ月。
その間に、我々はJFL昇格に向けて大きく舵を切りました。
コンサドーレ札幌から杉山哲、ヴァンフォーレ甲府から保坂一成と河本明人、
その他にも、元鹿島アントラーズの佐々木竜太や、海外からも永里源気と能登正人と立て続けに獲得。
Jリーグ入りを目指しているということは、
クラブのプロ化は避けては通れぬ道。
しかし、まだまだここはアマチュアリーグ。
完全なプロ選手ではなく、よりサッカーに重きを置ける選手達に漸次入替を図ったのです。
つまり、従来は
「仕事してサッカーして、サッカーして仕事する。」
という選手が中心だったけど、今季からは
「サッカーして仕事して、仕事してサッカーする。」
という選手を中心に据えることにしました。
ただ、そんな中でも守ろうとしたクラブのアイデンティティ。
ここで、
「はて、クラブのアイデンティティとは何ぞ?」
僕なりの答えは、クラブのアイデンティティとは詰まるところ
「どんな選手が、どんなサッカーをする」かに集約されるのではないかと思うのです。
僕は、その「どんな選手が」という点に徹底的にこだわりました。
一方で、「どんなサッカーをする」かについては岩政大樹に託してます。
サッカーのセレクションも実施せず、代理人の売り込みに聞く耳も持たず、
我々独自の基準でリストアップされた選手達と直接交渉し、徹底的に向き合い、その結果集まってくれた総勢29人の選手達。
どこに出しても恥ずかしくない自慢の男達です。
信頼してついてきてくれる彼らを裏切れないし、
彼らのサッカー人生において最高のクラブでありたいと願うばかりです。
一方で、
都心の金満クラブ、高学歴集団、傲慢、高飛車等々、
我々のことを深く知らない人達から聞こえてくる表現の数々。
逆に、僕はクラブのここまでのブランディングに成功したと確信しています。
クラブの彼我の差は「強さ」と「地域性」だけでは面白くない。
我々は他が持てないクラブのアイデンティティとカラーを持ちたい。
それは、今このカテゴリーからこだわり、作り込まねばならないと思っています。
趣の異なる他のクラブあって、そこには当然に選手がいて、サポーターがいる。
それら全てが相俟ってクラブ対クラブの構図が生まれます。
これほど人間くさくて面白いものはありません。
さて、JFL昇格を懸け、8か月に及ぶ情熱に満ちた日々が始まります。
しかしながら、勝負の世界は誰かの屈辱のもとに歓喜が存在する以上、
この戦いに参加する者は屈辱にまみれる覚悟を持ち合わせているはずで、
当然に僕も覚悟はできてます。
ただ、負ける気はありません。
勝利なくして、そこに至るまでのプロセスが肯定されないことは、
ここまでの人生において何度も身をもって思い知らされました。
そして何より、そんな経験が僕を大きく成長させてくれたと言っても過言ではありません。
今から始まる戦いも、僕を夢中にし、僕の人生に大きな影響を及ぼし、
そして、大きく成長させてくれると確信しております。
サッカーに関わる全ての方々に敬意と感謝を。
東京ユナイテッドFC
監督 福田雅