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2019.10.14 トップチーム

2019全社を終えて 福田 雅

昨年の2018年10月22日、全国社会人サッカー選手権(以下、全社)に敗れてJFL昇格の目標が潰えたとき、僕は悩みました。

「我々はJクラブを目指している。そもそも俺がいつまでも監督という立場にいていいのか。ましてや、二足の草鞋なんて甘っちょろいこと言ってたら、永遠に昇格なんてできないんじゃないか。」

サッカーの神様が、僕に覚悟を迫っているような気がして、思い悩みました。

追い討ちをかけるように、長きにわたりチームを支えてきた三上佳貴やファン兄弟(テジュンとテソン)が引退。

彼らとは付き合いも長く、ある意味で僕の良き理解者たちでした。

東京都リーグ時代から僕が繰り返し言い続けてきた言葉「仕事してサッカーして、サッカーして仕事しろ。」。

自分自身が社会に認められてこそ、自分たちを育ててくれたサッカーの価値を世の中に知らしめることができ、ひいては、サッカーのステイタスを高めることができる。

それが、サッカーに対する、サッカーを通じて我々に真剣に関わってくれた方々に対する唯一の恩返しである。

今でもその考えに変わりはありません。

しかし、クラブがよりプロ・セミプロ化を推し進めていく中で、僕の価値観は選手たちに説得力を持つのだろうか。

逆に、クラブがプロ・セミプロ化を推し進めるからこそ、僕は監督をやり続けようとも思いました。

いずれクラブが完全にプロ化して、誰かに信頼して現場の全権を委ねるべき日が訪れたとき、何を基準にそういう人物を選べばいいのか。

より具体的には、いかなる素養を持つ人物を監督に据えればよいのか。

年齢、選手としての実績、リーダーシップ、戦術的理解度、表現力、厳格さ、風貌等々。

そこが曖昧なままクラブを経営する立場になってはならないと思っています。

よく言う「カリスマ性」なんて、定量化できるものではないが、確実に人を惹きつける何かが存在することも事実です。

僕自身が壁にぶち当たることで、その要件をあぶり出そうとしています。

また、リーダーである僕自身がサッカー以外の社会との接点を持ち続ける必要があると考え、二足の草鞋を履くことにしています。

単に、アマチュアリズムの美学を追求したいというわけではないのです。

組織はリーダー以上の存在にはなりえません。

いくら競技団体として強いクラブになったとしても、一般社会に認められなければ、訴えるメッセージは戯言にしか聞こえないと思うのです。

「サッカーしか知らない者は、サッカーさえ理解できていない。」

誰の言葉か忘れました。。。

僕がサッカーに専念して出来ることも相応にあります。一方で、失うこともたくさんあります。

僕が戦術的な理解を掘り下げるより、そこは得意な者たちに権限移譲し、自分は外の世界との接点を持ち続けた方が、クラブ全体として得られるものは大きいと判断して、僕は今シーズンも二足の草鞋を履く決断をしました。

その結果は、ご存知の通り関東リーグは12勝1分5敗の2位で終了(昨年は8勝6分4敗の3位)。

昨年に続き2度目の挑戦となった全社は初戦で関西リーグ2位のティアモ枚方FCを相手に今季最低の内容で0-4と惨敗。

明らかにゲームへのアプローチを誤っていました。

勝負の世界は、結果なくしてそこに至るまでのプロセスを肯定できません。

負けて残るものなんて何もないと思ってます。

敗北は、明日の勝利があってこそ意味をもちます。

1年前の僕の決断は果たして正しかったのか。

少なくとも、現時点でYESとは言えません。

むしろ、NOだったのかも知れません。

常に検証をし、正しいと信じる判断をくだし、結果を追い求める。

ただただその繰り返し。

台風19号で多くの方々が大変な思いをされていたと聞いております。

そんな中、僕たちは多くの方々の支えがあって、サッカーに夢中になれました。

また、たくさんの方々が鹿児島にまで足を運んでくださり、見慣れたお顔をスタンドに見つけると胸が熱くなりました。

この場を借りて、全ての方々に感謝の気持ちをお伝えさせてください。

この1年間も、僕たちは幸せでした。

本当にありがとうございます。

来季のことは、これからたくさん考えて、仲間とたくさん話し合って決めてまいります。

この敗北に意味を持たせるためにも。

東京ユナイテッドFC

監督 福田雅